めぐみへ 横田早紀江、母の言葉 横田早紀江 (2007/12/28)
拉致被害者横田めぐみさんの母親である早紀江さんがこれまでの活動の中で残されている言葉。
P22
娘のいない食卓
主人は口下手ですし、
男の子はあまり話をしませんから、
賑やかなめぐみが
いなくなった食卓は、
火が消えたように
ひっそりとなりました。
〔「めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる」より)
大事な家族が突然いなくなってしまった。これを、ご自身のこととして想像してみて下さい。
P45
二〇〇一年五月一日、金総書記の長男が偽のパスポートで日本へ
おコメを支援したとき、
金正男が不法入国したとき、
このような大事なとき、
一つ一つのチャンスを、
一人一人の、それに関わっている方々が、
「自分の子どもだったら」という思いで
必死に動いていただけば、
こんなに長い時間、
助けることができなかったということは
なかったと、私は思っております。
拉致問題に関して、政府はまるで他人事。拉致問題の解決は政府にしか実行できないのに。
P53
「死亡」とされた家族は個別に呼ばれ、生存していると言われたご家族は四家族が一緒に集められて、福田康夫官房長官から、「生存している」と説明を受けたそうです。皆さんは、自たちの子どもが生存と言われても、まったく喜びの表情を見せず、めぐみたちの死亡の報に号泣し、「めぐみちゃんはどう したんですか」と福田さんに詰め寄り、「黙りなさい。皆さんのお子さんは生きているんですよ」と叱られたそうです。
拉致問題に真剣に向き合い、拉致被害者家族に寄り添う気持ちがあれば、「黙りなさい」という言葉が出るはずがない。
この本が出版されてからすでに17年の時が経ちました。